照明は部屋を明るくしてくれるだけでなく、部屋の雰囲気を大きく左右するインテリアのひとつです。そのため、これから家を建てようと思っている方であれば、照明にもこだわりたいと思うことでしょう。 部屋を広く見せたい、どんな家具・インテリアにも合うものを選びたいと思う方におすすめの照明が、ダウンライトです。ダウンライトは、すっきりしていてどんな部屋にも馴染むだけでなく、そのほかにもさまざまな特徴・メリットがあります。本記事では、ダウンライトの特徴やメリットのほか、デメリットや選び方についても詳しく解説します。

ダウンライトとは

ダウンライトは、天井に埋め込んで設置するタイプの照明器具です。シーリングライトのように出っ張ることがなく、天井面がフラットになるため、空間を広く見せる効果があります。 以下では、特徴や種類について詳しく解説します。

ダウンライトの特徴

ダウンライトは天井に埋め込むため、天井をすっきりとした印象に見せることができます。取り付ける種類や取り付け方によっては、光の方向を調整することも可能です。

また、調光機能や調色機能がついたものであれば、シーンによって明るさや色温度の調整もできるため、リビング・ダイニングのほか、廊下やキッチン、トイレなどさまざまな場所に設置可能です。 メイン照明はもちろん、補助照明にも最適です。最近では、住宅のほか店舗やレストラン、オフィス、ホテルなどさまざまな場所で利用されています。

ダウンライトの種類

ダウンライトは「ベースタイプ」と「ユニバーサルタイプ」の2種類あります。

ベースタイプは一般的なタイプです。角度の調整はできず、ライトを設置した真下を照らします。ユニバーサルタイプは光の方向を調整できるタイプです。スポットライトのような役割をし、器具により調整できる角度の範囲は異なります。

器具により光の広がり方も異なり「集光タイプ」と「拡散タイプ」に分けられます。集光タイプは光の幅が狭く、一点を集中的に照らすようなイメージです。拡散タイプは光の幅が広く、全体的に光が広がるようなイメージです。スポットライトのように一点を集中して照らしたい作業スペースや食卓の上は集光タイプ、部屋全体を柔らかく照らしたいリビングや寝室は拡散タイプが向いています。

ダウンライトのメリット

メリットには主に「シンプルで合わせやすい」「空間を広く見せられる」「局所的に照らせる」「掃除の手間が少ない」「比較的安価で導入しやすい」という点が挙げられます。 照明の設置に失敗しないためにも、設置場所に合ったものを選ぶことが大切です。そのためにもメリットを理解しておきましょう。

シンプルで合わせやすい

天井に埋め込むフラットなダウンライトは、シンプルでどんな空間やインテリアにも合わせやすいというメリットがあります。ペンダントライトのように強い主張がないため、和室でも洋室でも、モダンテイストでも北欧テイストでも馴染んでくれます。

空間を広く見せられる

ペンダントライトやシーリングライトのように、天井からぶら下がりやでっぱりがありません。天井がフラットになるため、圧迫感がなく空間を広く見せられます。天井の低い部屋を広く見せるための工夫のひとつでもあり、天井の高い部屋ではその効果が顕著に現れます。

局所的に照らせる

ダウンライトは、特定の場所をピンポイントに照らせます。

ダイニングテーブルの上に設置すれば、料理を鮮やかにし、食欲をそそります。とくに、暖色系の光は料理の温かみを強調してくれる効果があります。 また、学習机の上に設置すれば勉強に集中できる環境を、ソファの上に設置すれば読書灯にも便利です。

掃除の手間が少ない

ダウンライトは天井に埋め込むため、ほこりが溜まりにくく掃除の手間も省けます。

ペンダントライトはシェード(笠)部分にほこりが溜まりやすく、シーリングライトは小さな虫が侵入する可能性があります。そのため、半年に1回程度はシェードやカバーを外して、水拭きや水洗いなどの大がかりな掃除が必要です。 対するダウンライトは、きれいに保つためにも掃除自体は必要ありますが、伸縮性のあるハンディモップなどでサッとほこりを取るだけです。テレビやエアコン周り、家具の隙間などをハンディモップで掃除するついでに、気軽に掃除できるため、きれいに保ちやすいです。

比較的安価で導入しやすい

器具にもよりますが、ペンダントライトなどのほかの照明器具と比べると、比較的安価な商品が豊富にあります。安いものであればひとつ2,000円前後から、人感センサーや調光機能などの高性能なものであってもひとつ1万円くらいで購入できます。 ただし、ダウンライトは1畳あたり1~2個の設置が一般的です。ダイニングやリビングでは、複数のダウンライトの設置が必要なため、設置数を考慮したうえで器具を選びましょう。

ダウンライトのデメリット

ダウンライトにはメリットだけでなく、デメリットも存在します。主なデメリットは「器具選定や配置が難しい」「交換が大変」「見上げたときに眩しい」「影ができやすい」「火災の原因になる可能性がある」という点です。設置後に後悔することのないよう、メリットだけでなくデメリットについても事前に理解しておきましょう。

器具選定や配置が難しい

ダウンライトと一口にいってもその種類はさまざまで、どの器具を選ぶのか選定に頭をかかえてしまうことがあります。また、どこの場所に何個くらい設置すべきか考えることは難しく、設置数が少ないと暗くなってしまいます。一方で、必要以上に設置してしまった場合には、眩しくて目に刺激や痛みを与えてしまう可能性もあるため注意が必要です。 適切な数を適切な位置に配置するためにも、電気工事店や家電量販店、工務店、リフォーム会社など専門的な知識を持つ人に相談してみましょう。

交換が大変

ペンダントライトやシーリングライトは電球が切れた場合、コンビニや薬局、家電量販店などに売っている電球を変えるだけで光が復活します。一方、ダウンライトは器具と電球が一体化しているものもあり、その場合交換にも工事が必要です。また、交換には資格が必要なため、一般の方が自身で交換することはできず、専門業者へ依頼しなければなりません 。 普及しているダウンライトのほとんどはLEDライトを使用しています。LEDライトの寿命は4万~5万時間とされており、1日8時間の使用でも10年以上は使い続けられます。頻繁に交換する必要はありませんが、専門業者への依頼が煩わしく感じる場合は、電球が交換できるタイプのものを選びましょう。

見上げたときに眩しい

シーリングライトは、通常カバーがあるため直接光源を見ることはなく、眩しさを感じにくいです。対するダウンライトは、天井に埋め込むため光源が直接視界に入りやすく、見上げたときに眩しさを感じてしまうことがあります。とくに光の幅が狭い集光タイプは、眩しさがより強く感じられます。 しかし、見上げたときの眩しさはカバーやグローブで光源を隠す、暖色系の電球を使用して柔らかい光にする、拡散タイプを選ぶことでデメリットをカバーできます。

影ができやすい

特定の場所をピンポイントで照らすがゆえに、影ができやすいです。壁や家具に影ができると部屋全体が暗く感じてしまうこともあります。また、作業する際に手元に影があると、見えにくくなったり目が疲れやすくなったりすることもあるため、注意が必要です。 ダウンライトでできる影をなるべく減らすには、複数のダウンライトを組み合わせる、間接照明を取り入れるなどの方法があります。

火災の原因になる可能性がある

過去にはダウンライトが原因となる火災が過去最悪のペースで発生しており、東京消防庁による注意喚起が行われたこともありました。

たしかにダウンライトは埋め込むタイプの照明のため、ほかの照明に比べると熱がこもりやすいです。しかし、ダウンライトによる火災は「高熱になりやすい白熱電球を使用している」「ダウンライト直下まで荷物を積み上げている」「燃えやすい布団やダウンジャケットが近くにある」などの条件が重なった場合に発生するおそれがあります。

前項でも解説したとおり、最近のダウンライトはほとんどがLEDライトを使用しています。白熱電球は点灯すると100度以上になりますが、LEDライトは50度程度です。 よって、LEDライトのダウンライトを選択し、近くにものを置かないよう心がけておけば、火災リスクを抑えられます。

ダウンライトを配置するポイント

ダウンライトは、どこにどうやって設置するかという点が重要です。特徴やメリットを活かすためにも、配置するポイントを解説します。

バランスを考えて配置

スポットライト的な使用をすることもありますが、最近ではリビングやダイニングを照らすメインライトとして使用されることも多くあります。そこで、ダウンライトを設置する際には部屋のどこにいても明るさを感じられるように、バランスを考えて設置しましょう。 バランスを考えた配置は素人には難しいため、専門的な知識を持つ業者に相談し、アドバイスを受けたうえで決定することをおすすめします。

座るところにあわせて配置

ダウンライトは、ダイニングテーブルの上に設置すれば料理を美味しく見せてくれて、ソファの上に設置すれば読書灯のような役割をしてくれます。そこで、部屋の中で座る場所を考えて、座る場所の上に設置することをおすすめします。 リビングダイニングでは、キッチンの調理台の上、ダイニングテーブルの上、ソファーやリビングテーブルの上などがよく座る場所です。自室であれば、作業机や学習机の上などです。

壁に向けて配置

部屋をおしゃれな雰囲気にしたいのであれば、壁に向けて配置するというのもひとつの方法です。

ダウンライトのデメリットに「影ができやすい」という点を挙げましたが、壁に向けて配置する方法は、デメリットである影のできやすさを活かしたものです。壁に照明を当てると、壁に陰影が発生します。カラークロスや柄のクロスであれば、照明による陰影でさらにデザイン性を向上してくれます。 よりおしゃれに見せたいのであれば、近くに設置する家具やインテリアにもこだわってみましょう。お気に入りの絵画を設置すれば、美術館の一室のような芸術に彩られます。

ダウンライトの選び方

ダウンライトの照射範囲は広くはないため、生活に必要な明るさを確保するためには、設置する数や位置が重要です。また、器具により明るさや機能も異なるため、設置する場所に合ったものを選ぶ必要があります。以下では、選び方について詳しく解説します。

配光タイプ

前項でも解説したとおり、ダウンライトには「集光タイプ」と「拡散タイプ」があります。

光の幅が狭く一点を集中的に照らす集光タイプと、光の幅が広く全体的に広がるように照らす拡散タイプです。集光タイプは、キッチンの調理台の上や、作業机・学習机の上などの集中的に光を届けたい場所や、強調させたい家具の上などに設置するのがおすすめです。 拡散タイプは、陰影がつきにくいため、リビング全体や廊下など部屋全体を照らしたい場所に設置するのがおすすめです。

光の色

光の色は、主に「電球色」「温白色」「昼白色」「昼光色」があります。

電球色は、暖色系の光でリラックス効果が高いため、寝室やリビングなどゆったりしたい場所への設置が向いています。温白色は、自然な光に近く、どんな場所にも合わせやすいのが特徴です。

昼白色は、昼間の太陽光に近い明るい光で、文字が読みやすいため読書灯にも適しています。昼光色は、青みがかったすっきりとした光で、作業机や学習机など集中して作業したい場所に向いています。 部屋の用途や雰囲気に合わせて、光の色を選びましょう。

枠色

ダウンライトの枠色は白色が一般的ですが、黒や木目調などさまざまな枠色を展開しているメーカーもあります。天井や壁の色、部屋の雰囲気、設置する家具やインテリアなどに考慮して枠色を選びましょう。

機能性

器具によっては、人感センサーや調光機能、調色機能を持つものもあります。機能によっては生活の質をグンと上げてくれるため、設置場所に必要な機能を考えたうえで選んでください。

人感センサーは、その名のとおり人の気配をセンサーが感知して自動で光を照らしてくれるもので、玄関やトイレに設置すると便利です。調光機能は、光の強さを調整できるもので、リビングや寝室への設置がおすすめです。 調色機能は、電球色・温白色・昼白色・昼光色といった異なる光の色に切り替えられるもので、多目的に使用する部屋にあると便利な機能です。

電球固定型と電球交換型

ダウンライトには、器具と電球が一体になっている「電球固定型」と、別々になっている「電球交換型」があります。今後電球の色を交換する可能性がある場合や、専門業者に依頼し交換してもらうのが煩わしく感じる場合には、電球交換型がおすすめです。 しかし、電球交換型は枠色などのデザインが限られる場合があります。デザインや必要な機能も考えながら、適したものを選びましょう。

こちらの記事では、電球の種類について解説しています。種類別の違いや選び方も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

電球の種類を知ろう!3種類の違いと選び方を解説

電球にはLED電球、白熱電球、蛍光灯の3種類があります。これらを選ぶには、それぞれの特徴をまずは知ることが大切です。色味の種類や、どんな場所に向いているのか、用途に合わせた最適な選び方に役立つ情報を解説します。

まとめ

ダウンライトは、天井に埋め込んで設置するため、天井面がフラットになり空間を広く見せてくれます。部屋をすっきり見せたい方や、照明によって部屋の雰囲気を左右されたくないという方に適しています。

しかし、デザインや機能、配光タイプや光の色はさまざまです。また、設置する場所や数によっても印象は大きく異なるため、選び方や配置ポイントも理解しておく必要があります。 電材ネットでは、ダウンライトをはじめとする各種照明器具のほか、ランプや配線器具などの住宅関連機器も数多く扱っており、個人販売も承ります。サイトに未掲載の商品も多数扱っているため、商品の見積りや在庫の問い合わせなど、お気軽にお問い合わせください

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