ご飯を作ったり、ドライヤーで髪を乾かしたりしている時に、突然ブレーカーが落ちて驚いた経験がある方も多いのではないでしょうか。ブレーカーが落ちると電気供給が止まるため、部屋が真っ暗になり、どう対応すればいいのか困惑してしまいます。
この記事では、ブレーカーが落ちる原因や復旧方法について詳しく説明します。落ちにくくする対策方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。

ブレーカーが落ちるのはなぜ?

電気の使い過ぎや漏電などの異常な状態を検知すると、ブレーカーは自動的に作動し、電流の流れを遮断します。

このように電気の供給を停止することで、感電や火災といった重大な事故を未然に防げるようになっています。ブレーカーが突然落ちると慌ててしまいがちですが、まずは冷静に原因を確認することが大切です。

なお、住宅の多くは「アンペアブレーカー」「安全ブレーカー」「漏電ブレーカー」の3種類があり、それぞれ役割分担されています。

  • アンペアブレーカー
    契約した電力を超える使用や回路の異常を感知し、建物全体の電気を管理します。
  • 安全ブレーカー
    各部屋や電化製品ごとの電気を管理しています。たとえば、リビングで電気を使いすぎて回路に負担がかかった場合、安全ブレーカーが作動し、その部屋の電気だけを遮断します。
  • 漏電ブレーカー
    漏電を感知して家の安全を守ります。

ここでは、各ブレーカーが落ちる原因を詳しく見ていきましょう。

アンペアブレーカーが落ちる原因

アンペアブレーカーが作動するのは、建物全体で同時に使用する電力が契約しているアンペア数を超えたときです。

たとえば、40Aの契約をしているなら同時に使える電力上限は40Aまでです。契約アンペア数を超えると電力供給が停止し、建物全体の電力供給が停止します。電子レンジやドライヤーなど高電力を必要とする電化製品を同時に使用すると、ブレーカーが作動しやすくなるでしょう。

安全ブレーカーが落ちる原因

アンペア数は建物全体だけでなく、部屋や場所ごとにも設定されています。安全ブレーカーが作動するのは、部屋ごとに同時使用する電力が上限に達したときです。

一般的な家庭用コンセントは15Aが限界です。基本的に、ひとつのコンセントには最大で15Aの電流を流せます。

たとえば、電子レンジ(15A)や炊飯器(13A)などの電化製品を同じコンセントで使用するとどうなるでしょう。この場合、合計28Aがひとつのコンセントに流れる計算となり、その部屋だけが停電することになります。

漏電ブレーカーが落ちる原因

漏電ブレーカーが作動するのは、漏電が発生したときです。漏電とは、電気が本来通るべき回路を外れて流れてしまう状態であり、電線やケーブルの老朽化や損傷によって引き起こされます。

なお、漏電が発生する原因はさまざまです。たとえば、電気回路の接触不良やコンセントの汚れ、アース線の不備なども漏電の原因となり得ます。漏電を感知すると、感電や火災を防ぐために電気の流れを遮断し、建物全体を停電させます。

なお、漏電ブレーカーはスイッチ周辺に赤と黄色のボタンが付いていることが多く、ほかのブレーカーと区別しやすい特徴があります。分電盤ごとに漏電ブレーカーの配置が異なるため、事前に位置を確認しておくとよいでしょう。

ブレーカーの復旧方法

落ちたブレーカーの種類によって復旧方法は異なります。また、夜間や充分な明かりのない状況での復旧作業は、思わぬ事故を引き起こす可能性があります。懐中電灯やスマートフォンのライトを使い、安全に注意して行いましょう。

アンペアブレーカー

アンペアブレーカーを復旧するには、まず、使っているすべての電化製品の電源をオフにします。その後、分電盤に行き、落ちたブレーカーを再び上げて「入」の状態にするだけで、電力供給が再開します。

ただし、同時に使用する電化製品の電力消費を減らさなければ、再びブレーカーが落ちかねません。家庭内の電化製品の電力消費量を把握し、一度に使用する電気量を減らすことが重要です。

電力消費を制限することで、ブレーカーの落ちる頻度を減らし、電力供給を安定させられるでしょう。なお、スマートメーターを導入している場合、電気の使い過ぎで停電しても10秒後に自動復旧します。 しかし、スマートメーター内のブレーカーが約30分間にオン・オフを一定回数以上繰り返すと、自動復旧せず停電状態が続きます。復旧しない場合は、契約している電力会社に連絡しましょう。

安全ブレーカー

安全ブレーカーは、基本的にはアンペアブレーカーと同じ方法で復旧します。 まず、落ちた安全ブレーカーが制御する場所で使用していたすべての電化製品を、一旦すべてオフにします。オフにすることで、落ちる原因となる大きな電力を使用するのを防げます。最後に、分電盤で落ちたブレーカーを再び上げて「入」にします。

ただし、各部屋に割り当てられているアンペア数は住宅全体よりも必然的に少ないため、同時に使用する電力量に気をつけなくてはいけません。必要に応じて電化製品の使用時間をずらしたり、負荷を分散するために別のコンセントに接続したりしましょう。

漏電ブレーカー

漏電ブレーカーを復旧するには、まず安全ブレーカーをすべてオフにします。

次に、漏電ブレーカーを上げて「入」の状態にしてから、安全ブレーカーをひとつずつ順番に上げていき、どこで作動するのかをチェックしていきます。このように順番に確認することで、漏電している箇所の特定が可能です。

漏電箇所が発見できたら、再度すべての安全ブレーカーをオフにし、漏電箇所以外の安全ブレーカーを上げて「入」の状態にします。最後に、漏電が疑われる電化製品のコンセントを抜きましょう。なお、漏電ブレーカーが作動した場合、火災や感電の危険性が高いため、迅速かつ適切な対応が求められます。漏電の原因が不明なときや、住宅の電気配線に問題がある場合は、速やかに電力会社へ連絡しましょう。

ブレーカーが落ちない対策4選

ブレーカーが落ちると停電が発生し、一時的に電化製品の使用を中断しなければなりません。朝の忙しい時間や、夜間で明かりが必要な時に急に電気が使えなくなってしまうと、不便を強いられてしまいます。

ここで紹介する対策を講じることで、電気供給が停止する問題を解消し、快適な生活環境を維持できるでしょう。

アンペア数を見直す

電気の使い方に注意しても、ブレーカーが頻繁に落ちてしまうケースも少なくありません。その場合、契約アンペア数が家庭の電力需要に合っていない可能性があります。

たとえば、一人暮らしの場合は20〜30A、1〜2人世帯なら30〜40A、3人以上で40〜50Aが目安とされています。なかでも、オール電化住宅や、家電を使用する機会が多い家庭は、60A以上あると安心でしょう。
ただし、契約アンペア数が増えれば基本料金も高くなるため、家庭の電力使用状況に応じたアンペア数を選ぶことが大切です。

なお、契約アンペア数の変更は、電力会社の公式サイトや電話で簡単に手続きが可能です。電力会社のカスタマーサービスでも、適切な契約アンペア数を教えてもらえる場合もあります。気になる方は、公式サイトを確認してみるとよいでしょう。

ワット数が高い家電を同時に使わない

ワット数の大きい家電を同時に使うとブレーカーが落ちやすくなるため、注意が必要です。ワット(W)は電力を表す単位で、電気製品がどれだけの電力を消費するかを示しています。

家庭用の電化製品には、通常、消費電力が表示されています。消費電力の表示を見ることで、使用している製品がどれだけの電力を消費するかを確認できるでしょう。

なお、一般的に使用される電化製品のワット数は、冷蔵庫(150~600W)、ドライヤー(800〜1,200W)、IHクッキングヒーター(2000~3000W)、電子レンジ(500~1500W)、炊飯器(300~1300W)、食器洗い乾燥機(700~1,300W)、ドラム式洗濯乾燥機(270~1,190W)です。

アンペア数(A)は、消費電力(W)を電圧(V)で割ることで求められます。日本の電圧は100Vのため、たとえば、消費電力が1,300Wの食器洗い乾燥機は、1,300÷100で13Aとなります。

消費電力の高い家電を使用する際は、同時にほかの電化製品を使用しないよう気をつけることで、ブレーカーが落ちるのを防げるでしょう。

漏電対策をする

漏電は感電や火災のリスクが高く、非常に危険です。日頃ブレーカーが落ちることの少ない家庭でも、漏電防止のために日常的な対策を講じましょう。

具体的な対策として、キッチンやバスルームなどの湿気の多い場所で使う電化製品には、必ずアース線の接続を徹底しましょう。アース線は、その名前のとおり、電化製品と地面を接続する役割を持つ線です。

電気は抵抗の少ない経路を通る性質があるため、漏電が発生した際には、アース線を通じて電気を地面へ逃がします。きちんと取り付けられていれば、万が一漏電が発生しても電気が地面に流れるため、感電を防げるでしょう。

また、多くのプラグを挿せるタコ足配線は便利ですが、容量オーバーのリスクがあり、電気コードに過大な負担がかかります。 コンセントに挿すコードの数を最小限に抑え、一度に使用する電力量を減らすよう心掛けてください。また、タコ足配線はホコリが溜まりやすく、火災の原因になるため、コンセント周りの掃除をこまめに行いましょう。

コンセントを分けて使う

同じコンセントで消費電力の大きい電化製品を同時に使うと、安全ブレーカーが作動しやすくなります。

通常、ひとつのコンセントが扱える電流は15Aで、家庭の電圧は100Vです。たとえば、ひとつのコンセントに1,000Wのドライヤーと1,000Wのファンヒーターを同時に接続すると、2,000Wの電力を消費します。

ひとつのコンセントで使用できる上限は15A=1,500Wです。上限を超えると、ブレーカーが落ちるリスクが高まります。高消費電力の家電を別々のコンセントに接続することで、ブレーカーが落ちるのを防げるでしょう。 また、延長コードやタコ足配線を使っても、ひとつのコンセントで供給できる電力の上限は変わりません。そのため、必要に応じて業者に依頼してコンセントを増設するのも効果的です。増設により、各家電の消費電力を適切に分散させ、ブレーカーが落ちるのを防げます。

アンペア数の選び方と計算方法

世帯人数から選ぶ

世帯人数が多いと、当然ながら電力使用量も増えます。なぜなら、家族が多い分、洗濯機や食器洗浄機、ドライヤーなどの家電を使う頻度が高くなるためです。

また、家族それぞれの生活リズムが異なり、夜型の人が夜中に照明や家電を長時間使う場合なども電力消費が増える要因となります。世帯人数に応じて契約アンペア数を決める際には、家族一人ひとりの生活スタイルを考慮することが重要です。

目安としては、一人暮らしや電力使用が少ない場合は20~30A、家族が多く電化製品の使用頻度が高い場合は40〜60Aが適しています。大家族で洗濯機や電子レンジを同時に使用することが多い家庭は、より高いアンペア数を契約するとよいでしょう。

電化製品から選ぶ

家庭で使用する電化製品が多い場合は、それぞれの電化製品のアンペア数を確認し、全体の合計から必要なアンペア数を計算しましょう。

電化製品からアンペア数を選ぶには、まず、各電化製品の消費電力(W)を調べます。消費電力からアンペア数を求めるには、消費電力を家庭用のボルト数である100Vで割ります。

たとえば、電子レンジ(消費電力1,500W)の場合、アンペア数は1500W ÷ 100V = 15Aです。このように、使用する電化製品の使用電力に基づいて計算し、アンペア数を足すことで、家庭で同時に使用できる最大電流量を把握できます。

その際、家族が集まる時間帯は、ドライヤーやIHクッキングヒーターなどを同時に使用するケースが多いため、必要な電力量が増えることも考慮すべきです。

契約アンペア数の変更方法

契約アンペア数の変更手続きは、自身が利用している電力会社に直接連絡し、希望するアンペア数の変更を依頼するだけです。

ただし、現在の電気料金プランや建物の設備、契約条件によっては変更できないケースもあります。また、集合住宅に住んでいる人は、所有者や管理組合の承認が必要な場合もあります。変更ができるか否か、あらかじめ確認しておきましょう。

契約内容などを確認

アンペア数を選択したり変更したりできるのは、アンペア制の電気料金プランに限られます。しかし、すべての電力会社がアンペア制を採用しているわけではありません。一部の電力会社は「従量料金制(最低料金制)」を採用しています。

アンペア制の場合、選んだアンペア数によって基本料金が異なり、アンペア数が大きいほど基本料金が高くなります。一方、従量料金制(最低料金制)の場合、1契約ごとに決められた最低料金を支払い、超過分の電力量に対してのみ追加料金が発生する仕組みです。

まずは自分の契約がどの料金プランかを確認してみましょう。契約内容は、電気使用量の詳細明細書や請求書、または電力会社のWebサイトのマイページから確認できます。

アンペア変更の申し込み

アンペア数を変更する申し込みは、契約している電力会社に連絡し、アンペア数を変更したい旨を伝えるだけです。ただし、変更方法は現在の住居と引越し時で異なります。

現在の住居で変更を希望する場合、切り替え先の電力会社がアンペア数変更と切り替えの同時手続きを受け付けていないケースもあります。同時変更ができない場合は、現在の契約先で変更の申請を行い、その後、新しい電力会社にて切り替え手続きを進めましょう。

引っ越し先で契約したい電力会社が同時のアンペア数変更を受け付けていない場合は、一旦引っ越し先で旧一般電気事業者と契約し、アンペア数の変更手続きを行います。その後、新しい電力会社に切り替え手続きを進めてください。

なお、旧一般電気事業者とは、北海道電力・東北電力・東京電力・中部電力・北陸電力・関西電力・四国電力・中国電力・九州電力・沖縄電力を指します。

取り替え工事

家庭にアナログメーターが設置されている場合は、電力会社の技術者が訪れてアンペアブレーカーを取り替える作業が必要です。工事は屋内で行われ、立会いが必要です。通常、20分程度で作業が完了しますが、作業中は一時的に電気が利用できません。

基本的に無料で工事できますが、配線工事が必要な場合や、契約容量が60Aを超える場合は有料となるケースもあるため、事前に確認しておきましょう。

一方、スマートメーターが設置されている場合は、メーター内部で契約アンペア数を遠隔で設定できます。このため、アンペアブレーカーの取り替え作業は不要となり、工事も必要ありません。電力会社に連絡して、契約アンペア数の変更を申し込むだけで手続きが完了します。

ブレーカーが落ちやすい電化製品

ブレーカーが落ちる原因のひとつは、電気を多く消費する電化製品を同時に使うことです。たとえば、電子レンジやIHクッキングヒーター、炊飯器などは一度に使用するときには注意が必要です。

消費電力が大きいため、同時に動かすと電気回路に負荷がかかり、ブレーカーが落ちるリスクが高まります。そのため、使用する電化製品の消費電力を把握し、時間帯を調整することで電力の負荷を分散させる工夫が求められます。

たとえば、朝の忙しい時間帯にはドライヤーや電気ケトルを同時に使わないようにし、昼間に使う電子レンジと炊飯器の使用を分けるなどの配慮が効果的です。これによって、ブレーカーの作動を防ぎつつ、家庭の電力消費を効率的に管理できます。 なお、電材ネットは照明のスイッチやコンセント、配線器具など、さまざまな電気設備材料を取り扱っております。ブレーカーが落ちるのを防ぎたい方は、お気軽にお問い合せください。
こちらの記事では、ブレーカーの落ちる原因や落ちたときの戻し方について解説しています。種類別に解説しているので、ぜひ合わせてご覧ください。

ブレーカーの種類別!落ちる原因や落ちたときの戻し方を解説

ブレーカーが急に落ちたとき、種類に応じて戻すことがポイントです。本記事では、ブレーカーの種類別の落ちる原因や戻し方、落ちないようにするためのポイントをご紹介します。

まとめ

ブレーカーが落ちると、急に部屋が暗くなったり、電化製品が突然止まったりして、不便を強いられます。日常的にブレーカーが頻繁に落ちる場合は、電気の使い方に工夫が必要です。それでも解決しない場合は、契約しているアンペア数を見直すことをおすすめします。

なお、漏電の疑いがある場合、素人では原因の特定が難しいケースも少なくありません。不安がある場合は、電気工事のプロに相談しましょう。

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