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電線・ケーブルの基礎知識

基礎構造

  • 押え巻きテープ:心線及び介在を丸く固定するもの。
  • 導体:実際に電流が流れる部分。
  • 絶縁体:電気が漏れるのを防ぐ層。
  • シース:各種環境条件(水、油、薬品他)や外力に対する心線の保護層。(心線:導体+絶縁体)
  • 介在:ケーブルを丸く仕上げるための詰め物。

品名の順番

電線・ケーブルには様々な品種が有り、それぞれ規則的に品名が付けられています。

電圧 シース材料
導体材料 付加構造・形状
用途 心数
絶縁体材料 導体サイズ

例1)600V Al-CV2×14㎟

600Vアルミ導体架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル

600V 600V V ビニルシースケーブル
Al アルミ導体 - -
- - 2 2心
C 架橋ポリエチレン絶縁 14㎟ 14㎟

例2)600V CVT38㎟

600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル トリプレックス形

600V 600V V ビニルシースケーブル
- - T トリプレックス形
- - - -
C 架橋ポリエチレン絶縁 38㎟ 38㎟

例3)CVVS10×2㎟

制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル 遮へい付

- - V ビニルシースケーブル
- - S 遮へい付
C 制御用 10 10心
V ビニル絶縁 2㎟ 2㎟

例4)600V IV2㎟

600V屋内用ビニル絶縁ケーブル

600V 600V - -
- - - -
I 屋内用 - -
V ビニル絶縁 2㎟ 2㎟

よくある間違い

CVとCVV

用途、絶縁体材料が異なり、全く違うケーブル(※許容電流が異なる)。
600V CV2×22㎟をCVV2×22㎟で代替することは間違いです。記号の意味合いにご注意ください。

CVとCVT

用途、材料は同じであるが、形状が異なる(※許容電流が異なる)。

許容電流とは、そのケーブルに流せる電流の最大値です。

サイズについて

絶縁電線・ケーブルには、導体サイズが色々あります。サイズの大きい方が許容電流は大きくなります。導体には単線と撚り線の2種類があります。

単線のサイズ:直径を㎜で表す(ミリメートルとは言わずミリと略す)

例)

1.6㎜、2.0㎜、2.6㎜、9.2㎜

撚り線のサイズ:面積を㎟で表す(平方ミリメートルとは言わずスケアーまたはスケと略す)

例)

0.75㎟、1.25㎟、2.0㎟、3.5㎟、5.5㎟、8㎟、14㎟、22㎟、38㎟、60㎟、100㎟、150㎟、200㎟、250㎟、325㎟、400㎟、500㎟

尚、1.6㎜≒2.0㎟、2.0㎜≒3.5㎟、2.6㎜≒5.5㎟となります。


参考

以下のサイズを業界では次のように呼びます。

1.6㎜(テンロク)、2.6㎜(ニーロク)、3.2㎜(サンニー)、0.75㎟(コンマナナゴー)、38㎟(サンパチ)、1.25㎟(テンニーゴ)

色について

例えば、600V IVには色々な色があります。

絶縁体色

また、ケーブルのシースにも色々な色があります。特にVVFの標準色は灰色ですが、カラーVVFとして多くの色があります。

VVF カラーVVF
アイボリー

更に、ケーブル内心線も色で識別されています(CVTは黒地に色のラインが入っています)。
色は様々な識別に利用されています。
また、シース色は使用場所との調和を考慮して指定される場合があります。


参考

HP(耐熱ケーブル)はメーカー及び心数により、シースの標準色が異なる場合があります。

心数の種類と呼び方

ケーブルの導体と絶縁体でできている部分(絶縁電線の部分)を心線(コア)と呼び、その数を心数と言います。ケーブルの心数は色々あり、また、呼び方も次の3種類あります。

心線の数をそのまま表す。2心は心線が2本の意。
P(ピー):対 心線2本を対に撚り合わせたものの呼び名(対撚り、ツイストペア)。従って1Pは実質2心となる。これらは弱電(低圧、低電流)や通信用ケーブルに多い(通称ペア線)。
Q(カッド) 4心を撚り合わせたものを星撚りといいQで表す。これらは通信ケーブル(多心電話線)で使用される。

尚、CVケーブルには単心(シングル:心線が1本のケーブル)を何本か撚り合わせた次のケーブルがあります。

CVD(シーブイデー):デュプレックス 単心を2本撚り合わせ
CVT(シーブイテー):トリプレックス 単心を3本撚り合わせ
CVQ(シーブイキュー):カドラプレックス 単心を4本撚り合わせ

電圧等級

絶縁電線・ケーブルには色々な電圧等級があります。特にCVケーブルには次のような等級があります。

例)

600V、3300V(3.3kV)、6600V(6.6kV)、11000V(11kV)、15000V(15kV)、22000V(22kV)、33000V(33kV)、66kV、77kV、110kV、154kV、275kV、500kV(50万V)

ここで、600V以下を低圧ケーブル、3300〜6600Vを高圧ケーブル、11000V以上は特別高圧ケーブルと言います。また、3300V以上は構造が若干異なります(内外の半導電層遮蔽層が追加される)。


参考

以下の電線ケーブルは、品名間違いがよくあります。ご注意ください。

VCT:600Vのケーブル分類。
VCT-F:300Vのコード分類。

KIV:600Vの絶縁電線。
KIP、KIC:6600Vの絶縁電線。

遮蔽層の種類

弱電計装、制御及び通信ケーブルにはノイズ対策で遮蔽層が付加される場合があります。高圧ケーブルは必然的に銅テープ遮蔽が付きます。

遮蔽層もいろいろな種類があります。また、遮蔽効果(ノイズ低減)は①→④の順で良くなります。

□□□-SLA アルミマイラーテープ遮蔽
□□□-SB 銅編組遮蔽
□□□-S 銅テープ遮蔽
□□□-SCF 銅・鉄テープ遮蔽

同軸ケーブルでは内部導体と外部導体があり、外部導体が遮蔽層の役割を果たしています。外部導体は②単体であったり(5C-2V)、①、②を組合せたもの(S-5C-FB)、アルミパイプを使用したもの(8C-5AF)等があります。

その他付加構造

架空配線用ケーブル構造
架空配線用に支持線(メッセンジャーワイヤー:亜鉛メッキ鋼線)を付加したケーブル。
□□□-SSF Self Supporting Flat
□□□-SSD Self Supporting Daruma
がい装ケーブル構造
種々形態の金属がい装を施したケーブル。
CM Corrugated Metal(波付鋼管がい装ケーブル:コルゲートケーブル
WA Wire Armour(鉄線がい装ケーブル)
TA Tape Armour(鋼帯がい装ケーブル)
耐火、耐熱及び難燃(耐燃)ケーブル
耐火ケーブル 消防庁耐火試験840℃・30分をクリアしたケーブル。導体直上に耐火層(マイカ主体)を有す。高難燃性(ノンハロ:非PVC)を有するものもある(消防設備の非常電源回路に使用)。尚、露出用・電線管用・露出、電線管共用タイプ有り。
耐熱ケーブル 消防庁耐熱試験380℃・15分をクリアしたケーブル(消防設備の操作、音響及び表示灯回路等に使用)。※耐火・耐熱ケーブルの絶縁及びシース素材はポリエチレン系樹脂であり、構成樹脂の許容温度を超える周囲環境温度下での使用はできない(例:75℃以上)。
難燃ケーブル

自己消化性のあるケーブル(燃えづらい)。評価試験法は次の4種類。尚、A〜Cはケーブル1本にて評価。Dは複数本併設で評価。

  1. 水平試験
  2. 60℃傾斜試験(エコ電線)
  3. 垂直試験
  4. 垂直トレイ or 垂直ダクト燃焼試験(ノンハロ高難燃タイプ)

※難燃と耐燃は同じ意味を表すが、耐燃は業界の慣習でポリエチレン系樹脂に難燃機能を持たせてものに使用する。

許容電流と電圧降下

電力用ケーブルのサイズ選定は、許容電流だけではなく、電圧降下も十分に考慮して行う必要があります。

例)

三相3線式・200V・3.7kW電動機負荷の場合
こう長15mの場合 600V CV3C×2㎟(内線規程より)
こう長100mの場合 600V CV3C×14㎟(計算より)

使用場所例